４．梵行の行動について
梵行の目的
比丘のみなさん。この梵行は功徳として貰い物や称賛がある訳ではありません。この梵行は功徳として戒が完璧になる訳ではありません。この梵行は功徳としてサマーディが完璧になる訳ではありません。この梵行は功徳としてニャーナダッサナ（智見）が完璧になる訳ではありません。
比丘のみなさん。悪化をしないチェトーヴィムッティ（心解脱）があれば、この梵行はそのチェトーヴィムッティが目指す利益であり、そのチェトーヴィムッティが心髄であり、チェトーヴィムッティが梵行の終わりです。
梵行を飾るもの
比丘のみなさん。みなさんがしている梵行は学習ですることが功徳であり、智慧が頂点であり、ヴィムッティ（解脱）が心髄であり、サティは主義です。
比丘のみなさん。「梵行は学習に従ってすることが功徳」とはどのようでしょうか。
比丘のみなさん。この場合素晴らしい品行に関わる学習は、まだ信仰がない人に信仰が生じるよう、信仰がある人に更に信仰が厚くなるよう、私がすべての弟子のためにどのような状態で規定しても、その弟子はそのような状態で欠けず、突き出ず、汚れず、斑でなく、すべての教条を学んで遵守します。
更に梵行の初等の学習は、すべての弟子のすべての苦の正しい終わりのために規定しました。梵行の初めである学習を、すべての弟子がすべての苦を正しく終わらせるために私がどんな状態で規定しても、その弟子は、そのような状態で欠けず、突き出ず、汚れず、斑でなく、すべての教条を学んで遵守する人です。比丘のみなさん。梵行にはこのように功徳である学習があります。
比丘のみなさん。「梵行には頂点である智慧がある」とはどのようでしょうか。比丘のみなさん。この場合、すべての弟子のすべての苦の正しい終わりのために私が説いたすべてのダンマを、私がすべての弟子のすべての苦の正しい終りのためにどのような状態で説いても、弟子はそのように智慧で熟慮して見ることができます。比丘のみなさん。梵行はこのように頂点である智慧があります。
比丘のみなさん。「梵行には心髄である解脱がある」とはどのようでしょうか。比丘のみなさん。この場合、私がすべての弟子のすべての苦の正しい終わりのために説いたどんなダンマも、私がどのような状態で、すべての弟子のすべての苦の正しい終わりのために説いても、それらのダンマに、弟子たちはそのような状態の解脱で触れることができます。比丘のみなさん。梵行にはこのように心髄である解脱があります。
比丘のみなさん。「梵行には主義であるサティがある」とはどのようでしょうか。私の弟子が「私はまだ完璧でない素晴らしい品行を完璧に学習する」とか「私は完璧な素晴らしい品行に関わる学習を、その段階の智慧で大事に育てる」とか、このように内面で決意するサティ、私の弟子が「私はまだ完璧でない初歩の学習を完璧にする」とか、
「私は完璧な初歩の梵行を、その段階の智慧で大切に育てる」とか、このように内面で決意するサティ、私の弟子が「私はまだ見えないダンマを、その段階の智慧で見えるように熟慮する」とか、「私はその状況の智慧で熟慮して見えたダンマを大切に育てる」とか、
このように内面で決意するサティ、私の弟子が「私はまだ触れていないダンマに、解脱で触れる」とか、「私はその状況の智慧で正しくしたダンマを大切に守り育てる」とか、このように内面で決意するサティです。比丘のみなさん。梵行にはこのように主義であるサティがあります。
比丘のみなさん。私が「みなさんがしている梵行には、功徳である学習があり、頂点である智慧があり、心髄である解脱があり、主義であるサティがあります」と言うのは、このような意味です。
註：この場合の「触れる」というのは、「煩悩から解脱した解脱の威力で自分が到達したダンマの味を知ること」を意味します。
絶妙な梵行の結果
ブーミチャさん。正しい理解があり、正しい目的があり、正しい言葉があり、正しい仕事があり、正しい生業があり、正しい努力があり、正しいことを思い出し、正しい専心があるサマナやバラモンたちは誰でも、結果を望んで梵行をしても必ず結果を得、結果を望まないで梵行をしても必ず結果を得、
結果を望むでもなく、望まないでもなく梵行をしても必ず結果があります。それはなぜでしょうか。それは、それらの人全員が、深遠で理に適った行動をしたからです。
ブーミチャさん。油が欲しくて油を探し歩いている人が、溝に練りゴマを流し入れて水を振り掛けて回してどんどん絞れば、その人が期待してもしなくても、期待と期待しないの両方でも、期待するでもなく期待しないのでもなくても、溝に練りゴマを入れて水を振り掛けて回して絞り続ければ、必ず油が手に入るのと同じです。それはなぜでしょうか。油が得られるのは、その人が深遠で理に適った行動をするからです。
（同様の例えが三つ、牛乳がほしい人が若い牝牛の乳を搾り、バターがほしい人は発酵させた牛乳からバターを作り、火がほしい人は乾いた木を擦れば、希望しても、あるいは希望しなくても、正しい行動をしたので当然結果が現れるという話が続きます）。
菩提分（三十七道品）
比丘のみなさん。私が最高の智慧で説いたこれらのダンマのどれでも、みなさん善く受け入れ、漏らさず使用し、梵行の状態でたくさんしなければなりません。そうすれば永遠に安定を維持でき、それはたくさんの人を援ける利益のため、たくさんの人の幸福のため、世界を援けるため、そして天人と人間両方の幸福のためになります。
比丘のみなさん。私が最高の智慧で説いたダンマはどのダンマでしょうか。それは四念処、四正勤、四如意足、五根、五力、七覚支、八正道です。
比丘のみなさん。私が最高の智慧で説いたダンマはどれも、みなさん全員が良く受け入れ、漏らさず使用し、梵行の状態でたくさんしなければならないもので、そうすれば永遠に安定を維持できます。これはたくさんの人を支援する利益があり、たくさんの人の幸福のため、世界を援けるため、そして天人と人間両方の幸福のためになります。
涅槃に傾いていく四念処
比丘のみなさん。ガンガ（ガンジス川）は東側が低く、東へ傾き、東へ注ぐように、比丘のみなさん。四念処をし、四念処をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
比丘のみなさん。四念処の練習をし、四念処をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人とはどのようでしょうか。
比丘のみなさん。このダンマヴィナヤの比丘は、常に体の中の体を熟慮して見る人、常にすべての受の中の受を熟慮して見る人、常に心の中の心を熟慮して見る人、常にすべてのダンマの中のダンマを熟慮して見る人であり、煩悩を焼き滅ぼす努力があり、全身に感覚があり、貪りと憂いを排除してしまえるサティがあります。
比丘のみなさん。四念処の練習をし、四念処をたくさんしている比丘は、このように当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
涅槃へ傾いて行く四正勤
比丘のみなさん。ガンガは東側が低く、東へ傾斜し、東へ流れるように、比丘のみなさん、四正勤の練習をし、四正勤をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃へ傾斜し、涅槃に注ぐ人です。
比丘のみなさん。四正勤の練習をし、四正勤をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人とはどのようでしょうか。
比丘のみなさん。このダンマヴィナヤの比丘は、まだ生じていないすべての悪や下品な物が生じないように、生じている悪や下品な物を捨てるため、まだ生じていないすべての善を生じさせるため、そして薄れないよう維持するために当然喜び（チャンダ）を生じさせ、当然努力し、当然努力を始め、当然心を支え、そしてすべての善の成長、繁栄、豊かな発展のために心を支え、心を維持します。
比丘のみなさん。四正勤の練習をし、四正勤の行動をたくさんする比丘は、このように当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
涅槃へ傾いていく四如意足
比丘のみなさん。ガンガは東側が低く、東へ傾斜し、東へ注ぐように、比丘のみなさん、四如意足の訓練をし、たくさん四如意足の行動をする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾斜し、涅槃に注ぐ人です。
比丘のみなさん。如意足の練習をし、如意足の行動をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人とはどのようでしょうか。
比丘のみなさん。このダンマヴィナヤの比丘は、当然主としてチャンダ（喜び。満足）に関わるサマーディのある四如意足の練習をし、当然主としてヴィリヤ（精進）に関わるサマーディがある四如意足の練習をし、当然主としてチッタ（心）に関わるサマーディがある四如意足の練習をし、当然主としてヴィマンサー（思惟）に関わるサマーディがある四如意足の練習をします。
比丘のみなさん。如意足の訓練をする比丘が、たくさん如意足の行動をすれば、このように当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
涅槃へ傾いていく五根
比丘のみなさん。ガンガ（ガンジス川）は東が窪み、東へ傾斜し、東へ注ぐように、比丘のみなさん、五根の訓練をし、五根の行動をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾斜し、涅槃に注ぐ人です。
比丘のみなさん。五根の訓練をし、たくさん五根の行動をする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人とはどのようでしょうか。比丘のみなさん。
このダンマヴィナヤの比丘は当然五根、つまりヴィヴェカ（群れから離れて暮らすこと。遠離）に依存し、ヴィラーガ（離欲）に依存し、ニローダ（滅）に依存して手放すことへ傾いていく類のサッダー（信）、ヴィリヤ（精進）、サティ（想起）、サマーディ（三昧）、パンニャー（智慧）の訓練をします。
比丘のみなさん。五根の訓練をする比丘がたくさん五根の行動をすれば、このように当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
涅槃へ傾いていく五力
比丘のみなさん。ガンガは東側がへこみ、東へ傾斜し、東へ注ぐように、比丘のみなさん、五力の訓練をし五力の行動をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃へ注ぐ人です。
比丘のみなさん。五力の練習をし五力の行動をたくさんしている比丘は、涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾斜し、涅槃に注ぐ人とはどのようでしょうか。比丘のみなさん。このダンマヴィナヤの比丘は当然、ヴィヴェカ（遠離）に依存し、離欲に依存し、滅に依存して手放すことへ傾いていく信力、精進力、サティ力、サマーディ力、智慧力の訓練をします。
比丘のみなさん。五力の訓練をし、五力の行動をたくさんする比丘は、このように当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
涅槃へ傾いていく覚支
比丘のみなさん。ガンガは東側が窪み、東へ傾斜し、東へ注ぐように、比丘のみなさん、七覚支の訓練をする比丘がたくさん七覚支の行動をすると、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人です。
比丘のみなさん。七覚支をし、たくさん七覚支の行動をする比丘は、涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、当然涅槃へ注ぐ人とはどのようでしょうか。比丘のみなさん。このダンマヴィナヤの比丘は、当然七覚支の訓練をし、当然遠離に依存し、離欲に依存し、
滅に依存して手放すことへ傾いていく七覚支のサティの訓練をし、七覚支の択法の訓練をし、七覚支の精進の訓練をし、七覚支の喜の訓練をし、七覚支の軽安の訓練をし、七覚支の定の訓練をし、七覚支の捨の訓練をします。
比丘のみなさん。七覚支の訓練をし七覚支の行動をたくさんする比丘は、当然このように涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃へ注ぐ人です。
涅槃へ傾いていく八正道
比丘のみなさん。ガンガは東側が窪み、東へ傾斜し東へ注ぐように、比丘のみなさん、八正道の訓練をし八正道の行動をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃へ注ぐ人です。
比丘のみなさん。八正道をし、八正道の行動をたくさんする比丘は、当然涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃に注ぐ人とはどのようでしょうか。比丘のみなさん。このダンマヴィナヤの比丘は当然八正道の訓練をし、当然遠離に依存し、離欲に依存し、
滅に依存して手放すことへ傾いていく類の正しい見解の訓練をし、正しい望みの訓練をし、正しい言葉の訓練をし、正しい業の訓練をし、正しい生活の訓練をし、正しい努力の訓練をし、正しいサティの訓練をし、正しいサマーディの訓練をします。
比丘のみなさん。八正道の訓練をし、八正道の行動をたくさんする比丘は、このように涅槃の方向が窪み、涅槃の方向へ傾き、涅槃へ注ぐ人です。
心の敷き台
比丘のみなさん。鍋敷のない鍋は当然倒れ易いですが、鍋敷のある鍋は当然倒れ難いように、比丘のみなさん、敷き台のない心は当然簡単に転がって行き、敷き台のある心は当然転って行き難いです。
比丘のみなさん。心の敷き台とは何でしょうか。比丘のみなさん。それは八正道です。すなわち正しい理解、正しい志向、正しい言葉、正しい業、正しい生業、正しい努力、正しく思い出すこと、正しい専心。この八正道が心の敷き台です。
聖なる正しいサマーディ
比丘のみなさん。私はみなさんに、原因があり、それを作る物が揃っているアリヤ（聖人の物）である正しいサマーディを説きます。みなさんこれをお聞きなさい。
比丘のみなさん。アリヤである正しいサマーディは原因とそれを作る物が揃っているとはどのようでしょうか。そのアリヤである正しいサマーディとは正しい理解、正しい志向、正しい言葉、正しい業、正しい生業、正しい努力、正しく思い出すこと、正しい専心です。
比丘のみなさん。心が一つである状態はこの七つに囲まれているので、私は、聖なるサマーディは原因があり、そしてそれを作る物が揃っていると言います。
世界に阿羅漢は欠けない
スバッダさん。八正道のないダンマヴィナヤには、当然第一（預流）、第二（一来）、第三（不還）、第四（阿羅漢）のサマナ（聖人）はいません。
スバッダさん。このダンマヴィナヤには八正道があるので、第一、第二、第三、第四のサマナがいます。スバッダさん。これらの比丘の誰もが正しく暮らせば、世界に阿羅漢が欠けることはありません。
５．集団で暮らすことについて
平安に暮らす集団
「スガタ様。比丘がどのように暮らせば平安と言うでしょうか」とプラアーナンダが質問しました。
アーナンダ。比丘が戒で完璧な人であり、自分の最高の戒で他人を侮辱することを言わなければ、アーナンダ、そのように暮らす比丘を平安に暮らすと言います。
「スガタ様。どんな状態で暮らせば平安に暮らすと言うかという説明は、まだ他にありますか」。
アーナンダ、あります。比丘自身が戒で完璧な人であり、自分の最高の戒で他人を侮辱することを言わない人であることが一つ、そして夢中になって他人を見つめず、自分を見つめる人であることが一つ。比丘がこのように暮らせば平安に暮らす比丘と言われます。
「スガタ様。比丘がどのように暮らせば平安に暮らすと言われるか、他の説明はありますか」。
アーナンダ。あります。比丘が戒で完璧な人であり、自身で自分の最高の戒で他人を侮辱することを言わない人であること、そして夢中になって他人を見つめず自分を見つめる人であること、そして名声が現れなくても名声がないことで焦燥しなければ、アーナンダ。比丘がこのように暮らせば、平安に暮らす比丘と言われます。
「スガタ様。比丘がどのように暮らせば平安に暮らすと言われるか、他の説明はありますか」。
アーナンダ。あります。比丘が戒で完璧な人であり、自身で自分の最高の戒で他人を侮辱することを言わない人であること、そして夢中になって他人を見つめず自分を見つめる人であること、そして名声が現れなくても名声がないことで焦燥しないこと、
それと最高の心にするダンマであり、現生で幸福に暮らす道具である四つの禅定を、望みとおりに、難しくなく、簡単に得る人であることがもう一つです。アーナンダ。比丘がこのような状態で暮らせば、平安に暮らすと言われます。
「スガタ様。比丘がどのように暮らせば平安に暮らすと言われるか、他の説明はありますか」。
アーナンダ。あります。丘が戒で完璧な人であり、自身で自分の最高の戒で他人を侮辱することを言わない人であること、そして夢中になって他人を見つめないよう自分を見つめる人であること、そして名声が現れなくても、名声がないことで焦燥しないこと、
そして最高の心にするダンマであり、現生で幸福に暮らす道具である四つの禅定を、望みとおりに、難しくなく、簡単に得る人であること。それに漏が絶滅して漏を探すことができない、到達した心解脱智慧解脱を明らかにし、そして常にその感覚の中にいる人なら、アーナンダ。このように暮らす比丘は平安に暮らすと言われます。
アーナンダ。この平安に暮らすダンマ（つまり心解脱、智慧解脱を明らかにする）より高い、あるいは緻密なダンマはないと、私は言います。
平安に暮らす道具であるダンマがある人
比丘のみなさん。この五つのダンマは平安に暮らす道具であるダンマです。五つは何でしょうか。五つとは、
（１）人目のある場所でもない場所でも、このダンマヴィナヤの比丘がすべての梵行仲間の中で、特に維持している慈しみのある行動。
（２）人目のある場所でもない場所でも、このダンマヴィナヤの比丘がすべての梵行仲間の中で、特に維持している慈しみのある発言。
（３）人目のある場所でもない場所でも、このダンマヴィナヤの比丘がすべての梵行仲間の中で、特に維持している慈しみのある考え。
（４）人目のある場所でもない場所でも、欠けず、突き出ず、汚れず、まだらでなく、自主的で、智者が称賛し、欲望の見解が触れず、そしてサマーディのためになる戒はどれも、彼はすべての梵行仲間の中で、人目のある場所でもない場所でも、すべての戒が等しくある人らしい暮らしをします。
（５）正しい方向へ後押しする見方であり、素晴らしい見方である見解は、当然その見解で行動する人を正しい苦の終わりに導きます。彼はそのような見解で、すべての梵行仲間の中で、人目のある場所でもない場所でも、常に同じ見解のある人のように暮らします。
比丘のみなさん。平安に暮らす道具である五つのダンマは、このようです。
古参比丘は新参比丘の面倒を見る
アーナンダ。このダンマヴィナヤに来たばかりの出家して間もない比丘を、みなさん全員で特に五つのダンマに誘い、遵守し維持させるべきです。五つのダンマは何でしょうか。五つとは、
（１）みなさんはその新参比丘を「おいでなさいみなさん。みなさんは戒のある人、パーティモッガ戒で慎みのある人でいなさい。行儀とゴーチャラ（好んで行く所）が完璧な人で、小さな罪でもすべての罪の害が見える人で、すべての教条を学んで遵守しなさい」とこのように誘い、安定させ、特にパーティモッガ律義を維持させるべきです。
（２）みなさんはその新参比丘を「おいでなさいみなさん。みなさんはすべての根の門を管理する人でいなさい。常に管理するサティがあり、防護するサティがあり、常にサティに護られている心、管理されている心がある人でいなさい」とこのように誘い、安定させ、特に根律儀を維持させるべきです。
（３）みなさんはその新参比丘を「おいでなさいみなさん。みなさんは無口な人でいなさい。キリもなく喋るのを止めておしまいなさい」とこのように際限のないお喋りを止めるよう誘い、安定させ、特に無口を維持させるべきです。
（４）みなさんはその新参比丘を「おいでなさいみなさん。みなさんは森に住むことを順守する人で、森や密林である静寂な住まいだけに住みなさい」とこのように誘い、安定させ、特に集団を避けることを維持させるべきです。
（５）みなさんはその新参比丘を「おいでなさいみなさん。みなさんは正しい見方があち、正しい見解がある人でいなさい」とこのように誘い、安定させ、正しい見解だけを維持させるべきです。
アーナンダ。このダンマヴィナヤに来たばかりの出家して日の浅い新参比丘は誰でも、みなさんがこの五つのダンマだけに誘い、安定させ、維持させるべきです。
衰退しない暮らしⅠ
比丘のみなさん。すべての比丘が頻繁に集まり時々集会していれば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが心を一つにして集まり、心を一つにして解散し、しなければならないサンガの仕事を一緒にすれば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが規定したことがないものを規定せず、規定してあるものを廃止せず、規定してある教条を受け入れて厳格に遵守すれば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが出家して長い長老である、サンガの父であり、サンガのリーダーである比丘を尊敬し、敬い、供物で崇拝し、そしてこれらの方々の言葉に聞き従わなければならないと理解すれば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが新しい有を生じさせる原因である欲望の威力に達しなければ、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが森での暮らしに没頭する心があれば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが「どうすれば、まだ来ない戒を愛す梵行仲間が来るだろう。どうすれば来た人が幸福に暮らせるだろう」としっかりサティを維持すば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。この七つの衰退する基盤でないダンマが、比丘のみなさんに維持されていて、そしてみなさんの見解がこの七つのダンマと一致していれば、発展はその分だけ比丘のみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
衰退しない暮らしⅡ
比丘のみなさん。みなさんが普請で働くことに満足しない人で、普請の仕事に満足する気持ちがなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんがお喋りに満足する人でなく、お喋りに満足する気持ちがなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが仲間を作って交わることに満足する人でなく、仲間を作って交わることに満足する気持ちがなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが低劣な望みのない人で、低劣な望みの威力に達しなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんに悪い友達がなく、悪い仲間がいなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが少しだけ特別な成果に到達したために途中で止めてしまう人でなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが多少素晴らしい成果に到達したことで途中で止めてしまう人でなければ、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
衰退しない暮らしⅢ
比丘のみなさん。比丘のみなさんが信仰のある人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが慙（罪を恥じること）のある人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが愧（罪を恐れること）のある人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが博学な人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、その分だけ衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが努力を始めた人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんがサティのある人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが智慧のある人なら、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
衰退しない暮らしⅣ
比丘のみなさん。みなさんが七覚支のサティの訓練をすれば、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが七覚支の択法の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが七覚支の精進の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが七覚支の喜の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが七覚支の軽安の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが七覚支のサマーディの訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが七覚支の捨の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
衰退しない暮らしⅤ
比丘のみなさん。みなさんが無常想の訓練をすれば、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが無我想の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが不浄想の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが過患想の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが断想の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが離貪想の訓練をすれば、その分だけ発展はみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。みなさんが滅尽想の訓練をすれば、発展はその分だけみなさんが期待できるものであり、衰退はありません。
比丘のみなさん。これら七つの衰退の基盤でないダンマをみなさんが維持し、そしてみなさんの見解がこれらの七つのダンマと一致すれば、その分だけのみなさんの発展が期待でき、衰退はありません。
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