梵天の誓願

ボーディ王子に
中部マッジマパンナーサ 13巻462頁510項

 王子。私の内心の考えを心で知った時、その時大梵天にこの考えが生じました。その気持ちは「発展した方。世界は消滅してしまうのでしょうか。発展した方。阿羅漢サンマーサンブッダである如行の心は望みが少なく、ダンマを説くことに傾かないために、世界は破滅してしまうでのしょうか」とこのようです。

 その時大梵天が、丈夫な男が腕を伸ばして曲げる短い時間だけ梵天界から姿を消して、私の前に現れました。

 王子。その時大梵天は衣を左肩に掛けて右肩を出し、右膝を地面について私に合掌し「発展した猊下。弟子のことを考えてダンマを説いてください。世尊。ダンマを説いてください。目の中の埃が少ない動物もいます。目の中の埃が少ない動物は、ダンマを聞かないことで衰退します。ダンマを知り尽くす動物は本当にいます」とこのように言いました。

 王子。大梵天はこう述べると、次のガーター(詩)を述べました。

  汚れのある人が考えた純潔でないダンマが

  マガタ地方に現れ、昔から伝わっている

  猊下、どうぞ不死である涅槃の門をお開けください


  すべての動物は、汚れのない人が悟ったダンマを聞きなさい

  山の絶壁の頂上に立つ人は、四方に人の群れが見えるように

  英知があり四方が見える目がある猊下

  ダンマで造られた城にお登りください


  悲しみから離れられず

  老死に支配された悲しみのある人が何処にも見えます

  立ち上がられよ、戦いに勝った勇敢な方! 

  乗り物つまり荷車で動物を運ぶ人!

  借金が無い人!


  世尊、どうぞ世界を遊行なさって

  どうぞダンマを説いてください

  ダンマを知り尽す人は必ずいます





三種類の蓮のような動物が見える

ボーディ王子に
中部マッジマパンナーサ 21巻463頁511項

 王子。私が大梵天の勧める言葉を明らかに知った時、すべての動物への憐れみに依存してブッダチャック(ブッダの目)で世界を調べて見ました。ブッダの目で世界を調査すると、目の中の埃が少ない人、埃がいっぱいの人、根が強い人、根が弱い人、善い状態の人、悪い状態の人、簡単に知る人、知るのが困難な人など、いろんな動物が見え、そして危険な来生が見える人たちもいました。

 蓮沼の紅蓮や白蓮のある花は水中で生まれ、水中で成長し、水に支えられて水中に沈んでいて、ある花は水中で生まれ、水中で成長し、水に支えられて常に水面にあり、ある花は水中で生まれ、水中で成長し、水に支えられて水面から出て水に触れません。

 王子。すべての動物も(三種類の蓮の花と)同じように見えました。王子。だから私は

  不死である涅槃の門を、

  それらの動物のために開けておく

  聴神経のある動物は信仰を知りなさい。

  梵天。

  私は難しいと考えたので、

  私が熟達した緻密なダンマを人間の集団に説きませんでした

 という詩の言葉で、大梵天を受け入れました。

 王子。その時大梵天は、自分はブッダのダンマを聞く機会を得たと知って、私に合掌してタクシナ(敬意を表す儀礼)をし、そこから姿を消しました。





ある動物たちの必要性を考えてダンマを説く

増支部ティカニバータ 20巻152頁461項

 比丘のみなさん。この世界のある人は如行を見ても見なくても、如行が公開したダンマヴィナヤを聞いても聞かなくても、善の流れに至ることはできません。しかしこの世界には如行を見ても見なくても、如行が公開したダンマヴィナヤを聞いても聞かなくても、当然すべての善の流れに本当に至ることができる人もいます。

 この世界のある人は如行を見れば、あるいは如行が公開したダンマヴィナヤを聞けばすべての善の流れに至ることができますが、如行を見なければ、あるいは如行が公開したダンマヴィナヤを聞かなければ、すべての善の流れに至ることはできません。

 比丘のみなさん。その三種類の人の中の一種類、つまり如行を見れば、あるいは如行が公開したダンマヴィナヤを聞けば、すべての善の流れに至ることができますが、如行を見なければ、あるいは如行が公開したダンマヴィナヤを聞かなければ、すべての善の流れに至れない人たちがいます。私はこの種の人たちのことを考えてダンマを説くことを認め、この種の人たちを基礎にすることに依存して他の種類の人たちにもダンマを説かなければなりません。





すべての動物を援ける道が見える

相応部マハーヴァーラヴァッガ 19巻222頁754項

 比丘のみなさん。悟ったばかりの頃、ネランジャラー川に近いウルヴェーラー村の、羊飼いが休憩するガジュマルの木の下で静かに休んでいる時、私に「すべての動物が純潔清浄になる道、悲しみと嘆きを越え、苦と憂いが存在できない真理に至る道、涅槃を明らかにする唯一の道は四つの念処だ。

 どの四つかは、いつでも体の中の体を見、すべての受の中の受を見、心の中の心を見、すべてのダンマの中のダンマを見る比丘は、罪を焼く努力があり、常自覚があり、世界の喜びと憂いを出すことができる人で、これが唯一の道だ」とこのような考察が生じました。

 比丘のみなさん。その時大梵天が私の内心の考察を知って、丈夫な男が腕を伸ばして曲げる短い時間だけ梵天界から姿を消して、私の前に現れました。

 その時大梵天は衣を左肩に掛けて右肩を出し、右膝をついて私に合掌すると「そうです、世尊。そうです、猊下。それがすべての動物が純潔清浄になる、悲しみと嘆きを超える、苦と憂いを越える、涅槃を明らかにする唯一の道です」とこのように言いました。

 そして次のガーター(詩)を詠みました。

  プラスガタは常に生の終りが見える方

  動物を慈しむ心の人は

  かつて阿羅漢の方々がこれに依存してオガ(曝流)を越え

  そして今まさに越えていて

  そしてこれから越える唯一の道を知る





最初にダンマを説く人を探す

ボーディ王子に
中部マッジマパンナーサ 13巻464頁512項

 王子。私に「誰に最初にダンマを説くべきだろう。誰が素早くダンマを知り尽くせるだろう」という考えが生じました。私に「カーラーマ氏のアーラーラは学者で賢く智慧があり、目の中の埃が少ない動物に生まれて久しい。それならカーラーマ氏のアーラーラに最初にダンマを説こう。そうすればこのダンマを知り尽すに違いない」という考えが生じました。

 王子。その時天人が来て「猊下。カーラーマ氏のアーラーラは、七日前に亡くなりました」と告げました。それで私に「カーラーマ氏のアーラーラは七日前に亡くなって偉大な徳を逃した。彼がこのダンマを聞けば、即刻このダンマを知り尽したからだ」という考えが生じました。

 王子。私に「ラーマの子ウダカは学者で賢く智慧があり、目の中の埃が少ない動物に生まれて久しい。それならラーマの子ウダカに最初にダンマを説こう。そうすればこのダンマを知り尽すに違いない」という考えが生じました。王子。その時天人が「ラーマの子ウダカは、今夜遅く亡くなりました」と告げました。

 それで私に「ラーマプッタのウダカは、今夜夜更けに亡くなったとは、彼は偉大な徳を逃した。彼がこのダンマを聞けば、即刻このダンマを知り尽したからだ。私は誰に最初にダンマを説こう。誰が素早くダンマを知り尽すだろう」という考えが生じました。

 王子。私に「五人の比丘は私が苦行をしている時世話をしてくれたので、私にとって恩人だ。それなら五人の比丘に初めにダンマを説くべきだ」と、このような考えが生じました。王子。私に「今五人の比丘はどこにいるだろう」という疑問が生じました。

 普通の人間を超えた清浄な天の目で見ると、五人の比丘がバラーナシー国のイシパタナマルガダーヤヴァンの森にいるのが見えました。王子。私はその時ウルヴェーラーに心行くまで滞在すると、バラーナシーに向かって旅立ちました。





バラーナシーへの旅の途中でウパカに出合う

中部マッジマパンナーサ 13巻466頁513項

 王子。ウルヴェーラーに心行くまで滞在すると、私はバラーナシーに向かって旅立ちました。王子。ガヤー村とボーディ村の間でウパカというアージヴァカ(異教の修行者)に出会いました。彼は遠方から来た私に「ご年配。あなたの根は非常に清浄で、肌の色艶は清浄で真白です。

 先輩。あなたはどなたに師事して出家なさったのですか。誰があなたの先生ですか。それともあなたは誰のダンマを喜びますか」とこのような言葉を言いました。

 王子。アージヴァカであるウパカにこのように質問された時、私は次の(詩に綴った)言葉で答えました。

  私はすべてを支配でき、すべてを知り

  すべてのものに関わらず

  すべてを捨てることができ

  欲望を捨てるダンマで解脱した


  自分で知ることを極めたので

  誰に師事する必要もない


  世界にも天人界にも私の先生はいない

  私のような人も

  私と比べられる人もいない


  私は世界の阿羅漢で

  誰も超える人がいない先生


  私だけがサンマーサンブッダである人

  私は完璧に鎮まった人

  ダンマチャクラ(法輪)を広めるためにカーシー人の国へ行く


  世界が盲目同然である時

  私は不死のダンマの太鼓を叩き続ける

 とこのように。

 「ご年配。あなたは宣言されたように阿羅漢で、終わりのない勝者なのですか」とウパカが訊きました。

 「私のような勝者は漏の終りに到達した人で、私は下賎なダンマに勝ちました。ね、ウパカさん。だから私は勝者です」。

 王子。私がこのように述べると、ウパカは「あり得ると思います(註)。ご年配」とこのように言い、何度も頭を振って舌を出し、北へ向かって去って行きました。

註:この言葉には主語がなく、たぶん「ブッダが言われたこと」が主語だと思います。アッタカターは「そのような名前が主語」と説明しています。





五比丘の救済、あるいは初めての説法

中部マッジマパンナーサ 13巻467頁514項

 王子。私は順に旅をして、五比丘がいるバラーナシー国のイシパタナマルガダーヤヴァンに到着しました。

 五人の比丘は遠くから来る私を見て、互いに疑念で「先輩。ゴータマサマナが近づいて来ます。彼は欲深い人で、努力を捨てて低い人に転向しました。そういう人を私は拝みません。立って迎えません。絶対に彼の鉢と衣を持つべきではありません。しかし座は用意するので彼が望めば座れます」と、お互いにこのように申し合わせました。

 王子。私が五比丘に近づいて行くと、彼らは自分たちの決め事を守れず、立って迎える人もあり、座布団を敷く人もあり、足を洗う水を用意する人もいました。彼らは私を(ゴータマと)名前で呼んだり、先輩と呼んだりしました。彼らがそう言った時、私は次の言葉を五比丘に言いました。

 「比丘のみなさん。あなた方は私を名前で呼んだり、先輩と呼んだりしてはいけません。私は阿羅漢サンマーサンブッダ(自分で正しく大悟した正しいブッダ)になりました。みなさん耳を掃除なさい。私が到達した至高のダンマを説きます。

私が説くダンマを私が教えたように実践すれば、間もなく梵行の頂点である最高の利益、家を出て出家し正しく家のない人になった良家の子息が望む利益を、生きているうちに最高の智慧で明らかにし、常にその感覚の中にいることができます」とこのように。

 王子。私がこのように述べると、五比丘は「ゴータマ先輩。素晴らしい道である苦行で、あなたは人間を超えた不死のダンマである卓絶した智見に到達できなかったのに、欲の多い人になり、努力を捨てて欲深い人になって、人間を超えた不死のダンマ、卓絶した智見に到達できるはずがありません」と言いました。

 私は「比丘のみなさん。如行は欲深い人で、努力を捨てて欲深い人になったのではありません。比丘のみなさん。如行は自分で正しく大悟しました。比丘のみなさん。みなさん耳を掃除なさい。私が到達した不死のダンマを説きます。

私が説くダンマを私が教えたように実践すれば、間もなく梵行の頂点である最高の利益、家を出て出家し正しく家のない人になった良家の子息が望む利益を、生きているうちに最高の智慧で明らかにし、その感覚の中にいることができます」と、このように言いました。

 王子。五比丘は再び私に同じ言葉を言いました。

 王子。私も三度同じ言葉を言いました。

 王子。五比丘は三度目も同じように言いました。

 王子。五比丘がこのように言ったので、私は彼らに「比丘のみなさん。私が今までこのような言葉を言ったのを憶えていますか」と訊きました。彼らは「憶えていません、先輩」と答えました。私は再び「如行は自分自身で正しく悟った阿羅漢です。みなさん耳を掘りなさい。私が到達した不死のダンマを説明します。

私が説くダンマを私が教えるように実践すれば、みなさんは間もなく梵行の頂点である最高の利益、家を出て出家し正しく家のない人になった良家の子息が望む利益を、生きているうちに最高の智慧で明らかにして、その感覚の中にいることができます」とこのように言いました。

 王子。私は五人の比丘たちを信じさせることができました。王子。私が二人の比丘に教え、三人の比丘が托鉢に行って、三人の比丘が持って来る食べ物で私たち六人は命を養いました。時には私が三人の比丘に教え、二人の比丘が托鉢に行って、二人の比丘が持って来る食べ物で命を養ったこともあります。

 王子。このような状態で五人の比丘に繰り返し教えると、彼らは梵行の頂点である最高の利益、家を出て出家し正しく家のない人になった良家の子息が望む利益を、生きているうちに最高の智慧で明らかにすることができ、そして常にその感覚の中にいるようになりました。


 (中部マッジマパンナーサ 13巻332頁326項の内容は、この部分が多少違います)。

 比丘のみなさん。このように五人の比丘に繰り返し教えていると、彼らは当たり前に生がある人でありながら、当たり前に生があることの低劣な害が明らかに見え、彼らはそれ以上に素晴らしいダンマはない生まれないダンマ、縛り付ける物のない安全なダンマである涅槃を探求したので、縛りつける物のない安全なダンマ、それ以上に素晴らしいダンマはない生まれないダンマである涅槃に到達しました。

 彼らは自分も当たり前に老いがあるのに、当たり前に老いがあることの害を明らかに知って、彼らはそれ以上のダンマはない老いのないダンマ、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない老いのないダンマである涅槃を求め、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない老いないダンマである涅槃に到達しました。

 彼らは自分も当たり前に病があるのに、当たり前に病があることの害を明らかに知って、彼らはそれ以上のダンマはない病気のないダンマ、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない病のないダンマである涅槃を求め、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない病のないダンマである涅槃に到達しました。

 彼らは自分も当たり前に死があるのに、当たり前に死があることの害を明らかに知って、彼らはそれ以上のダンマはない不死のダンマ、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない不死のダンマである涅槃を求め、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない不死のダンマである涅槃に到達しました。

 彼らは自分も当たり前に憂鬱があるのに、当たり前に憂鬱があることの害を明らかに知って、彼らはそれ以上のダンマはない憂鬱のないダンマ、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない憂鬱のないダンマである涅槃を求め、縛りつける物がない安全なダンマ、それ以上のダンマはない憂鬱のないダンマである涅槃に到達しました。

 「私の解脱は悪化することはない。これが最後の生だ。今後、新しい有はない」と、このようなニャーナとダッサナ(智見)が彼らに生じました。





イシパタナマルガダーヤヴァンで法輪を公開する

中部ウパリパンナーサ 14巻449頁699項

 比丘のみなさん。阿羅漢サンマーサンブッダである如行はバラーナシーの都に近いイシパタナマルガダーヤヴァンの森で、天人・悪魔・梵天、あるいは世界の誰も抵抗して戻すことができないアヌッタラダンマチャクラ(無上法輪)を公開しました。つまり四つの素晴らしい真実を教え、説明し、規定し、制定し、公開し、分類し、浅くすることです。

 四つの真実とは、苦である素晴らしい真実、苦を生じさせる原因である素晴らしい真実、苦の消滅である素晴らしい真実、そして苦の消滅に至る道である素晴らしい真実です。





ダンマチャクラを公開したことによる地震

ヴェーサリー国パーヴァーラチェディーで
増支部アッダカニバータ 23巻322頁167項

 アーナンダ。大地震を起こす原因と縁は八つあります。

 アーナンダ。如行が無上のダンマチャクラ(ダンマの車輪)を回転させた時、その時、大地が当然揺れ、振動しました。アーナンダ。これが大地震を起こす六番目の原因と縁です。





ダンマチャクラを説いたことで光が生じた

サッタマスッタ
増支部チャトゥカニバータ 21巻177頁127項

 比丘のみなさん。如行がダンマチャクラ(ダンマの車輪。法輪)を公開した時、その時天人界、悪魔界、梵天界を含めたこの世界の、サマナ・バラモンと天人と人間を含めた動物群に、当然天人の威力よりも偉大な、無限の光が生じました。

 常にだだっ広い暗闇であり、目を探すことができず、お月様お日様の光の威力も届かない世界、中間地獄にも届く無限の光、天人の威力を超えた光が生まれ、そこに生まれた動物はその光によって知り合うことができ、「発展したみなさん。ここに生まれた人は私たち以外にもいると聞きました」とこのように叫びました。

 比丘のみなさん。これが今まであったことがなく、阿羅漢サンマーサンブッダである如行が生まれたことで生じた、四番目の不思議です。





ブッダの車輪は、誰も抵抗できない

増支部パンチャカニバータ 22巻166頁131項

 比丘のみなさん。この五つがある皇帝は、当然ダンマで車輪(註)を回転させることができます。そしてその車輪は、敵である人間の誰も抵抗して手で後退させることができない車輪です。五つとは何でしょうか。五つとは、その皇帝は原因を知り、結果を知り、相応しい程度を知り、時を知り、会衆を知っています。

 比丘のみなさん。この五つを知っている皇帝は、当然ダンマで車輪を回転させることができ、そしてその車輪は、敵である人間の誰も手で抵抗して後退させることができない車輪です。

 比丘のみなさん。自分で悟った阿羅漢である如行も同じです。如行も同じように五つがあるので、当然最高のダンマチャクラ(法輪)をダンマで回転させることができます。そしてその車輪は、サマナ・バラモン、天人、悪魔、梵天、あるいはこの世界の誰も抵抗して後退させることができない車輪です。五つのダンマは何でしょうか。

 比丘のみなさん。自分で大悟した阿羅漢である如行は、原因を知り、結果を知り、相応しい程度を知り、時を知り、教団員(比丘・比丘尼・清信士・清信女)を知っています。如行はこの五つがあるので、これ以上の物がない車輪をダンマで回転させることができます。そしてその車輪は、サマナ・バラモン、天人、悪魔・梵天、あるいは誰も抵抗して後退させることができない車輪です。

 註: 当然支配する権力を意味し、身体的か精神的かは場合によります。





法王がいる車輪だけを転がす

増支部パンチャカニバータ 22巻168頁133項

 比丘。ダンマを維持する法王である皇帝も、王のいない車は回転させません。

 世尊がこのように言われると、一人の比丘が「猊下。ダンマを維持する法王である皇帝にとって王になるのは誰ですか」と質問しました。

 比丘。ダンマですよ、ダンマを維持する法王である皇帝の王は。比丘。ダンマのある法王である皇帝は、当然ダンマだけに依存し、ダンマを崇拝し、ダンマを尊重し、ダンマを畏敬し、勝旗であるダンマがあり、先端であるダンマがあり、主義であるダンマがあり、当然王族内の人、属国の王、兵隊、バラモンと長者、町と田舎の領民、サマナとバラモン、すべての鹿と鳥をダンマで正しく守護して統治します。

 比丘。このようにダンマがある法王である皇帝は、当然そのダンマで車輪を回転させる人と呼ばれ、そしてその車輪は、敵である人間の誰も抵抗して手で後退させることはできない車輪です。

 比丘。如行も同じです。如行は自分で悟った阿羅漢で、ダンマがあるダンマラージャ(ダンマの王。法王)で、ダンマだけに依存し、ダンマを崇拝し、ダンマを尊重し、ダンマを畏敬し、勝旗であるダンマがあり、頂点であるダンマがあり、主義であるダンマがあり、「当然このような身業、口業、意業は行動すべき。このようなのは行動すべきでない。

このような職業は営むべき。このようなのは営むべきでない。このような町は住むべき。このような町は住むべきでない」と訓示を与えて、当然比丘、比丘尼、清信士、清信女を護り、ダンマで統治します。

 比丘。自分で大悟した阿羅漢である如行は、ダンマのある法王です。このような人は無上の法輪をダンマで回転させる人と言われます。そしてその車輪は、サマナ・バラモン、天人、悪魔・梵天、あるいは誰も抵抗して後退させることができない車輪です。





ブッダの出現は世界の偉大な目の出現

増支部20巻30頁144項

 比丘のみなさん。一番の人の出現は当然偉大な目の出現であり、偉大な光の出現であり、五比丘の悟り・救済として現れ、偉大な輝きの出現であり、六つの無上の物として現れ、四つのパティサンビダー(義、ダンマ、語句、弁舌に精通すること。無碍解)を明らかにすること、各種のダートゥを洞察し、いろんなダートゥを洞察し、結果として明と解脱があるダンマを明らかにすること、

預流果を明らかにすること、一来果を明らかにすること、不還果を明らかにすること、阿羅漢果を明らかにすることとして現れます。一番の人とは誰でしょうか。自分で大悟した阿羅漢である如行が、一番の人です。

 比丘のみなさん。これが偉大な目の出現である偉大な光の出現です。五比丘の救済・悟りとして現れ、偉大な輝きの出現であり、六つの無上の物として現れ、四つのパティサンビダー(無碍解)を明らかにすること、各種のダートゥを洞察し、いろんなダートゥを洞察し、結果として明と解脱があるダンマを明らかにすること、預流果を明らかにすること、一来果を明らかにすること、不還果を明らかにすること、阿羅漢果を明らかにすることとして現れた、一番の人の出現です。





ブッダが現れるまで世界に光はない

相応部マハーヴァーラヴァッガ 19巻553頁1721項

 比丘のみなさん。世界に月と太陽がまだ生じていない間は、まだ偉大な光が現れることも、偉大な光が照らすこともありませんでした。その時代にあるのは闇だけで、盲目の行動をする闇で、夜も昼も現れず、一月も半月も現れず、季節も年も現れません。

 比丘のみなさん。しかし月と太陽が世界に生じると当然偉大な光があり、当然偉大な光が照らすこともあります。その世界は当然盲目の行動をする闇はなく、その時当然夜と昼が現れ、当然月と半月が現れ、当然季節や年が現れます。

 同じように比丘のみなさん。阿羅漢サンマーサンブッダが世界に生まれていない間は、偉大な光が現れること、偉大な光が照らすことはまだありませんでした。その時代に世界にあるのは闇だけで、盲目の行動をする闇で、四聖諦を教え、説明し、規定し、公開し、分類し、簡単に理解させる行動はまだありません。

 比丘のみなさん。しかし阿羅漢サンマーサンブッダである如行が世界に生まれた時、その時は当然偉大な光あり、当然偉大な光が照らすこともあります。その世界は当然盲目の行動をする闇はなく、その時当然四聖諦を教え、説明し、規定し、公開し、分類し、簡単に理解させる行動があります。どの四聖諦でしょうか。苦諦、苦集諦、苦滅諦、苦滅道諦です。

 比丘のみなさん。だからこの場合はみなさん「これが苦、これが苦の原因、これが苦の消滅、これが苦の消滅に至る道」と知る努力をなさい。





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