善行善果・悪行悪果





 「善行をすれば善を得、悪行をすれば悪を得る」というのは、死ぬことのない、つまり変わることがない真実です。ある時代の人が、「悪いことをした人が早く金持ちになって、善いことをする人が反対に貧乏になるのはなぜだ」と疑問を抱いたとしても、あるいは善いことをした人が苦しい生活を強いられているとしても、「善行をすれば善を得、悪行をすれば悪を得る」という真実が揺らぐことはありません。

 善いことをすればその行為自体に善があるので、必ず善を得ます。そして行動した時にそれは完結しています。しかしお金や他の物を得るかどうかということは、別の問題です。

 悪行も同じで、悪は行為にあり、やってしまえばした時に終わり、お金を得るか得ないかは別です。ですから善行は善を得、悪行は悪を得ることは避けられません。

 善いことをして善を得て、そしてお金を得れば、それは善いお金で、悪いことをしてお金を得れば、それは悪いお金です。善いお金は所有者を穏やかな善い人にし、悪いお金は所有者を「人間の血を吸う吸血鬼」にするので、悪行からお金を得ても、その分鬼にするだけです。だから本当に「善行は善を得、悪行は悪を得る」という真実から、永劫に逃れることはできません。



1950年11月13日

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