ターン・プッタタートの教え

 

 

彼は生老病死の友。

彼は私と同じように輪廻を繰り返す友。

当然私が間違いをするように、彼も煩悩の威力下に落ちることがある。

彼も私に劣らず、貪・瞋・痴がある。

彼も私と同じで、なぜ生まれてきたのか知らない。私と同じで涅槃を知らない。

私がかつて愚かだったように、彼も時には愚かなこともある。

私がかつてそうだったように、彼も時には身勝手なことがある。

私が出世したいように、彼も出世して目立ちたい。

彼も私と同じで、機会があれば掻き寄せて、得をする。

彼も私と同じで、いろんなものに執着する普通の人。

彼は、私の代わりに苦しむ義務、あるいは死ぬ義務はない。

彼は同じ国、同じ宗教の友。

彼も私と同じように、悪の考えで暴走して何かをする。

彼は私の家族ではなく、彼の家族に責任を持つ義務がある。

彼は、彼の好みの趣味や主義を持つ権利がある。

彼は、宗教も好みで選ぶ権利がある。

彼は私と同じだけ、公共の財産を使う権利がある。

彼は私と同じだけ、精神を病む権利、狂う権利がある。

彼は私に助けを求め、同情を求める権利がある。

彼は時に応じて、私に許しを求める権利がある。

彼は自分の好みで社会主義、あるいは自由主義になる権利がある。

彼は他人のことより、自分のことを考える権利がある。

彼はこの世で暮らすことにおいて、私と同じだけ人権がある。

    

   人間同胞に対してこのように考えれば、誰とも争いは生じない。

 


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